高木は昔、河合楽器にいました。在職当時はピアノの販売、ピアノ調律・修理の台数、売上金額など会社のノルマに追われ、輸入ピアノを触ってみる機会がありませんでした。
当然、国内のピアノブランドについては、よく知っていますが「輸入ピアノは値段が高い」のイメージもあり、脱サラ後しばらくは扱うことなく過ごしてきました。
最近の大手2社のアップライトピアノの部品はほとんどが海外生産です。生産地はインドネシア・中国・台湾などですが、電気製品や自動車と同じようにコストの安いピアノを造りたいからです。
日本のピアノは工業製品としては大変すぐれていて、通常使用するには充分だと思います。もちろん技術力は向上していますからきれいな音色のピアノは造れますし、弾きやすいピアノも造れます。
カワイピアノの音色が好き、ヤマハのタッチがすき、などお好みでピアノを選べば良いと思いますが、純粋にピアノ調律師が触ってみたいピアノではないと思うのです。
ヨーロッパの楽器は1台1台が作品として作られます。バイオリンもチェンバロもオルガンも、みんな職人さんが作って仕上げていくのです。
輸入ピアノを扱うのは簡単なんですが、きちんと手を入れられる職人さんがいないと大変ですからね!お店選びは慎重におこなってください。
通常輸入ピアノは日本に入ってからバラバラに分解され、そのピアノが持っている個性や性能が最大限引き出されるよう再調整されます。
ここの再調整される行程は、職人さんの腕により、仕上がりが大きく変わります。輸入ピアノの値段が少し高いのも、その値段が入っているからです。
3大メーカーのアップライトピアノは1台約300万円位するんですよ!普通の人には、チョット手が出せないでしょう?!
※3大ピアノメーカー:スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベゼンドルファー
高木が触ってみたいピアノは単純に音がキレイとか弾きやすいだけでなく「ショパンやモーツァルトは、こんな風にピアノを楽しんだんだろうな!」ってイメージできるような、艶っぽい音色のするピアノです。